【図解付き】戸建ての浄化槽チェックポイント!リスクと対策!

TEL指し系大家あご(@ago-ooya)です。

築古戸建を探していると必ず出会うのが設備に浄化槽と記載されている物件です。私の所有する戸建もすべて浄化槽が付いている物件です。

下水道を使用しないため、下水道料金がかからないのがメリットです。ただし、これは使用する入居される方のメリットにはなりますが、所有者である大家には浄化槽の法定検査などランニングコストが発生してしまいます。また、突発的な修繕や様々なリスクも抱えることになるので注意が必要です。

今回この記事では戸建ての浄化槽についてまとめたので参考にしていただけたら嬉しいです😊

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浄化槽ってどんな設備?

この浄化槽とは、キッチン、お風呂、洗面所から流れ出る日常の生活排水や、トイレからの汚水をキレイな水に変えるための家庭用の汚水処理施設です。浄化槽の中にある濾過材やバクテリアの力を借りて分解し、消毒まで行うため、最後に出てくる水はかなりキレイになって出てくるそうです。実際、私がお世話になっている大工さんも、「浄化槽から分解されて出てくる水は飲めるほどキレイなんだ!」とおっしゃっていました…。

合弁浄化槽と単独浄化槽がある

浄化槽には下記の2種類のタイプがあります。

合弁浄化槽
キッチン、洗面、お風呂、トイレ全ての水回りが浄化槽を経由して河川へ流れる。

単独浄化槽
トイレのみ浄化槽を経由して河川へ流れる。
キッチン、洗面、お風呂の排水は直接河川へ流れる。

生活排水のすべてを処理する合併浄化槽と単独浄化槽があります。

私の物件も確認したところすべて単独浄化槽でした。そのうち1軒は下水化を行いました。

前面道路まで下水道が来ている場合下水に切り替えることができますが、来ていない場合切り替えることができません。ちなみに合併浄化槽よりも単独浄化槽の方が高額です。単独浄化槽の下水化が高額な理由は、生活排水の配管を全て接続しなければいけないからです。合併浄化槽の場合は、浄化槽の入り口のところまですべての生活排水の配管が来ているので、そこまでを繋ぐだけで済みます。

この地中にある配管をつなげるために穴を掘って接続する必要があるので、距離が長いほど下水化の料金は高額になります。

この見分ける方法ですが、浄化槽の蓋を開けて、洗面所やお風呂、キッチンから水を流して浄化槽へ流れてくれば合併浄化槽、トイレの水しか流れなければ単独浄化槽となります。

浄化槽の5つのポイント

ざっくりとこのようなことが挙げられます。

本体の耐用年数は30年以上と比較的長いことが証明されています。
しかし、浄化槽本体の中に溜まった水が引き抜かれて長年放置されている場合、土圧で圧迫され浄化槽本体が割れてしまう可能性があります。

そうなってしまうと、浄化槽本体の経年劣化により、割れた箇所を修繕してもまた別の箇所が割れて…といたちごっこになってしまうので交換や下水化することをオススメします。

修繕や入れ替え、下水化のコストはかなり高額なので、内見時は浄化槽のマンホールを開けて中の状態をチェックするなどしっかりチェックしておくことが大切です。

浄化槽のランニングコスト

上記で挙げたように法定検査や保守点検、清掃業務で年間3〜5万円ほどのランニングコストがかかります。

この検査等を入居者任せにしてしまうと管理をしない方も出てくるため、私は家賃とは別に浄化槽維持管理費として2500円から3000円ほど徴収しています。この金額設定の根拠は、私の物件の地域では清掃・保守点検・法定検査で年間4万円ほど必要だったからです。

ただ、このように徴収してしまうと、入居者様の実質的な家賃が上がってしまうので、このことも考慮した上で採算の合う物件に仕上げる必要があります。

修繕費用・下水化費用

浄化槽に伴う工事はどれも高額です。

浄化槽の内部が割れて補修が必要だった場合は10万円以上です。

これだけ高額になる理由は、修繕する場合は一度中の汚泥や部材を取り除く必要があるからです。流れ的には、汲み取り業者様に依頼してポンプ車で汚泥を汲み取ってもらい、中の蛇腹のようなプラスチックの濾過材を取り除いてからでないと修繕することができないからです。

浄化槽の耐用年数は30年、使用可能年数は50年とも言われています。一部に割れが発生しているということは浄化槽全体が経年劣化で弱っていることも考えられるため、修繕しても別のところに穴が空くことが考えられるため、全面道路に下水の本管がきている地域であれば下水化するのが得策です。

もし浄化槽が壊れて使えない場合は、浄化槽の入れ替えや下水化が必要になります。下水化する場合の料金は、合併浄化槽かつ最終マスとの距離が1m程度の場合でも15万円ほどの費用がかかってきます。

ですが下水化は全面道路に下水道の本管が通っていることが条件です。これは各自治体が工事を進めていないと整備されません。道路から敷地の1m以内に最終マスがあれば下水道の本管が来ている証拠なのでチェックしてみましょう。

下水化に踏み切った理由

私は1軒だけ浄化槽から下水に切り替えています。その理由は浄化槽に穴が開いており、水位が下がっていたからです。このことを知り合いの設備屋さんに説明したところ、修繕だけでも10万円以上かかってしまうとのことでした。

築50年と古かったこともあり、浄化槽の経年劣化もかなり進んでいると判断しました。そこでもし今回修繕をお願いしても劣化が進んでいてまた壊れてしまった…なんてなったら入居者様に迷惑をかけるだけでなく、また修繕費もかかってしまいます。さらには毎年の点検、ブロワーなどの周辺機材が故障したりする可能性があるかもしれない…などと精神衛生上も良くありません。

そのため、「最初に多少費用がかかったとしても、修繕しておけば長期のランニングコストを抑えられるんじゃない?」という設備屋さんのご提案で下水に切り替えることにしました。

配管距離だけでも30mくらいはあったと思うのですが、35万円という破格で工事してくださるとのことだったのでお任せしました。私はお世話になっている設備屋さんのご好意で格安で工事していただくことができましたが、下水化の費用は、浄化槽から下水管までの距離や地面の状態がコンクリなのか、土なのかによっても大きく費用が変わってくるので相見積もりを取るなど注意が必要です。

また、下水化工事には、市から許可を得ている下水道指定業者に依頼する必要があるので注意してください。

まとめ

いかがだったでしょうか。浄化槽にはランニングコストだけでなく、修繕や切替が発生した際には十万円以上という高額な修繕費用が必要なことがわかったと思います。物件選定の際に浄化槽という記載があったら必ずチェックしましょう。

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