初心者でもできる指値交渉のコツ5選!実践前に知っておこう

高額な不動産の購入では、値引き交渉(指値交渉)は決して珍しいことではありません。初心者の方の中には「交渉なんて難しそう」と感じる方も多いですが、5つのポイントを押さえれば誰でもチャレンジできます。本記事では、具体的なセリフではなく指値交渉に臨む際の考え方や準備のポイントに絞って解説します。落ち着いて準備を整えれば、初めての方でも無理なく交渉を進められるでしょう。

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1. 情報収集を徹底する

指値交渉で成功するには、まず徹底した事前調査が欠かせません。購入を検討している物件の情報を集め、客観的な視点で「適正価格」を見極めましょう。周辺地域の相場や物件の状態を知らずに闇雲に値下げ交渉しても、説得力に欠けてしまいます。以下の点について事前に調べておくと、交渉の土台を作る上で役立ちます。

  • 近隣の類似物件の売出価格や成約事例(相場との比較)
  • 物件の築年数や状態(老朽化や修繕の必要点)
  • 売りに出されてからの期間や価格変更履歴(長期間売却中か、過去に値下げがあったか)

これらの情報を把握することで、「相場より割高だから交渉の余地あり」といった判断材料が得られます。根拠のあるデータに基づく交渉であれば、初心者でも自信を持って話を切り出せるでしょう。

2. 指値の根拠を明確にする

希望の購入価格を提示する際は、「なぜその金額なのか」という明確な根拠を示すことが大切です。ただ安くしてほしいと頼むより、理由を添えて提案した方が売主さんにも納得してもらいやすくなります。値引きをお願いする根拠として考えられる例をいくつか挙げてみます。

  • 周辺の相場価格や最近の成約価格と比べて割高である点
  • 物件の老朽化や修繕費など、購入後にコストがかかる見込みがある点
  • 購入希望価格が自身の予算や融資上限に基づいて設定されている点

例えば「解体費用や測量費が〇〇万円かかるため、その分を差し引いてほしい」のように具体的な数字を挙げると、提案に現実味が出ます。根拠を明示することで「その価格なら買いたい」という本気度も伝わり、売主さん側も前向きに検討しやすくなるでしょう。

多くのサイトで「〇〇万円リフォーム費用がかかるので、その分を差し引いてほしい」や「固定資産税評価額が〇〇万円だから…」といったような文言で解説しているサイトや書籍を見かけますが、リフォーム費用は私たち買主側の匙加減でどうにでもなることですし、評価額もあくまで固定資産税を算出するための評価なため、これらを指摘し指値交渉するようなことは注意が必要です。

3. 売主の状況を考慮する

交渉では、自分の都合だけでなく売主の立場や状況に配慮することも重要です。売主様が「なるべく高く売りたい」と思っているのは当然ですが、事情によっては早く現金化したかったり、買い手が付かず困っていたりするケースもあります。相手の状況を理解すれば、交渉の糸口が見えてくるでしょう。

  • 売却を急いでいる(早期に売りたい事情がある)
  • 長期間売れ残っている物件で、売主側もそろそろ妥協を考えている
  • 相続物件や空き家で維持費を減らしたいなど、早期処分したい理由がある

例えば売主様が早く資金化したがっているなら、多少安くても確実に売れる買い手を歓迎するかもしれません。逆に、人気エリアで買い手が複数いる場合は強気の指値は通りにくくなります。このように相手の事情をリサーチし、「なぜ売りたいのか」「他に競合の買い手はいるのか」を考えることで、効果的な交渉のタイミングや攻め方が見えてきます。

4. 丁寧で誠実な交渉を心がける

初心者こそ、交渉時のコミュニケーションでは丁寧で誠実な態度を心がけましょう。値引きをお願いする際に横柄な話し方や失礼な表現をすると、売主様や仲介の担当者様の心証を損ね、交渉自体がうまくいかなくなる恐れがあります。言葉遣いや伝え方ひとつで相手に与える印象は大きく変わるため、注意が必要です。

  • NG例:「○○円にしてくれないと買いません!」(強硬すぎる主張は逆効果)
  • NG例:「現在の価格は高すぎますよ。」(否定的に断言する表現は避ける)

上記のような強い物言いは避け、あくまで穏やかな語調でお願いする形をとりましょう。常に相手へのリスペクトを忘れず、「こちらの希望を相談してみる」という姿勢で交渉に臨むことが大切です。

5. 無理のない指値と適切なタイミングを選ぶ

大幅な値下げを狙いすぎると、交渉が決裂したり相手にされなくなったりする可能性があります。初心者の方は特に、無理のない指値額から交渉を始めるようにしましょう。一般的には売出価格の一割前後の値下げ交渉であれば現実的とされています。ただし物件の人気度や状態によって適切な指値幅は異なるため、「絶対に○割引かなければダメ」というわけではありません。相場や物件状況に応じて柔軟に判断しましょう。

  • 指値額の目安は売出価格の約1割減(状況に応じて調整)
  • 交渉を切り出すタイミングは通常、購入申込時(買付証明提出時)
  • 内見前に電話で交渉する方法もあるが、事前準備と配慮が必要

交渉のタイミングとして一般的なのは、物件を内見して「買付証明書」を提出する段階です。その際に希望価格を伝えて交渉するのがオーソドックスですが、実は内見前に電話で指値交渉を試みる方法も存在します。これは物件を見に行く前に価格交渉を行い、希望額でOKが出てから内見に進むという方法です。うまくいけば無駄な内見を避け時間と交通費を節約できます。ただし、事前に信頼関係を築いておくことや丁寧な話し方がより一層求められます。まずは基本に沿ったタイミングでの交渉から始め、慣れてきたら状況に応じてこうした方法も検討すると良いでしょう。

初めての指値交渉では緊張するかもしれませんが、準備と心構え次第で結果は大きく変わります。十分な情報収集に基づき根拠を持って交渉に臨めば、仲介の担当者様を通じて売主様へ真剣さが伝わり、前向きに検討してもらえる可能性が高まります。また、相手への配慮を忘れず丁寧に話すことで、信頼関係を損なわずに話し合いを進めることができます。ぜひ今回ご紹介した5つのコツを参考にして、初心者の方も納得のいく不動産取引を目指してみてください。

交渉に不安がある方や具体的な進め方を知りたい方のために、電話での指値交渉マニュアルもご用意しています。遠方物件でも効率よく交渉を進めたい方は、ぜひこちらから詳細をご覧ください。

最後に。

この記事を書いたTEL指し系大家 あごです。
愛知県在住で、2019年から不動産投資をスタートしました。このサイトは、これから不動産投資を始める方と同じ目線で悩みを解決していくために立ち上げたものです。
私の強みは物件の内覧前に行う電話での指値交渉で、例えば評価額1,000万円の土地を100万円で購入したり、名古屋の某地下鉄駅近くの戸建てを100万円で取得するなど大幅な値引き交渉に成功してきました。しかし、その裏では数多くの物件を精査し、失敗や試行錯誤を経て学んできました。
こうした経験から培った交渉ノウハウは、有料note『内覧前TELでの指値交渉術〜ヒアリングの具体例・流れ〜』にてマニュアル化し公開しています。おかげさまで累計500件以上のスキ・70件超のレビューをいただいている高評価のコンテンツです。インフルエンサーの三崎優太さん(元青汁王子)やクロネコ屋さん、ひとりでできるマンさんなどからもご愛読いただいています。
不動産投資を始めたばかりで交渉に自信がない方は、ぜひ一度チェックしてみてください。


こちらの記事では物件の選定方法について解説しています。



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